一般社団法人設立Q&A 一般社団法人設立のポイントをQ&Aにまとめました。

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新公益法人制度とは?

従前の公益法人制度においては、社団法人や財団法人についての「公益性の判断」や「法人の設立」は、主務官庁が一体的かつ自由裁量によって行っておりました。

そこで新制度では、上記の「公益性の判断」と「法人の設立」を分離することによって、主務官庁の認可を受けず、登記のみで法人を設立できるようになりました。
登記のみで設立された法人のことを、「一般社団法人」または「一般財団法人」といいます。
また、内閣総理大臣又は都道府県知事が民間有識者による委員会の意見に基づき「公益性の判断」

を行い、公益性を認定することで、上記の法人は「公益社団法人」または「公益財団法人」となることもできます。

つまり、「公益性の判断」と「法人の設立」の分離に伴い、現行法の社団・財団法人は、「『一般』社団・財団法人」と「『公益』社団・財団法人」の2つに区分されることになります。

一般社団法人とは?

一般社団法人は、共に公証人の認証を受け、登記を行うだけで設立できるようになりますので、現行法よりも格段に設立しやすくなります。
また、「公益性の判断」が行われないため、「公益目的の事業を行わない社団法人」も設立が可能です。これにより、既存の社団法人と比べ、行える事業の自由度が大きく広がることとなります。

但し、「利益の分配」、つまり、社員や設立者に剰余金又は残余財産の分配を行うことができません。
これが株式会社や合同会社との決定的な相違点となります。

他の法人との違いは?

一般社団法人と他の法人を比較してみました。
ご自身がもっとも合う法人形態はどれでしょうか?

  一般社団法人 NPO法人 株式会社
設立手続
設立登記のみ 所轄庁の認証後、設立登記 設立登記のみ
設立資産 不要 不要 1円以上
設立者数 社員2人以上
理事1人以上
社員10人以上
理事3人以上・監事1名以上
発起人1名以上
取締役1名以上
会計監査人数 原則不要 不要 不要
法定費用 ¥112,000 不要 ¥202,000
所轄庁 なし 都道府県・政令指定都市
権限委譲された自治体
なし
監督 なし 内閣府または都道府県 なし
認定・認証 なし あり(認証) なし
設立期間 2週間〜4週間程度 5ヶ月〜6ヶ月 1週間〜3週間程度
社会的信用
税法上メリット 一部あり 一部あり なし
所轄庁報告義務 なし   なし

メリット・デメリットは?

設立のメリット

@事業に制限なし。短期間で事業を開始出来る

NPO法人などとは違い、事業目的について原則制限がないため、公益事業・収益事業問わず、事業に合わせて設立する事が出来ます。また、登記のみで設立が可能なため、認証が必要なNPO法人を比較しても短期間で事業をスタート出来ます。

A税法上のメリットがある

非営利型・共益活動型で一般社団法人を設立することにより、税金について一定のメリットを受けることが可能です。

B法人名義で銀行口座を開設したり不動産登記をすることができる

法人格がないと、代表者個人の名義で登記、銀行口座の開設をするため、団体と個人の資産の区分が困難になり、代表者が代わると団体の運営・存続に支障をきたすこともあります。
また、団体名(任意団体)では契約を締結できないこともあります。
そのため契約締結を個人名ですると当該個人が責任を負う恐れもあります。
法人格取得により、上記懸念事項をクリアーに出来ます。

C国や地方自治体と契約する場合に有利

国や地方自治体と契約する場合、株式会社や合同会社よりも一般社団法人の方が有利と言えます。
行政機関が外部と契約する場合、営利法人よりも非営利法人の方が、契約し易いという面があるからです。

D法に定められた法人運営により組織の基礎がしっかりして、社会的信用が得られます。

設立のデメリット

@社会的信用力はNPO法人の方が上

今までの社団法人のように認定法人ではないため、社会的信用力に欠けます。
社会的信用力を強化した法人を早く設立した場合は、NPO法人の設立をお勧めいたします。

A公益認定を受けるには高いハードルがある

一般社団法人で高い信用力を持たせたい場合、公益認定を受け、公益社団法人になる必要があります。
しかしながら、公益社団法人になるためには、高いハードルがあるため、非常に困難な要件をクリアーしなければいけません。

B利益の分配はNG

非営利法人のため、利益を構成員に分配することはできません。これは既存のNPO法人と同様の規制となります。
単純に利益の分配を考える場合、株式会社や合同会社の方が向いていると言えます。

一般社団法人の社員とは?

一般社団法人における「社員」とは、会社で言う「従業員」という意味ではなく、社員総会において議決権を所有する者を意味します。一般社団法人設立時の最低社員数は2名ですが、自然人以外の法人でも社員になることが出来ます。

尚、公益社団法人になる為の公益認定を目指す場合は、社員の資格の得喪及び社員の議決権に関して差別・特別的な取扱をすることを禁じています。
公益社団法人を目指す方は、定款作成の際、ご注意下さい。

一般社団法人の役員(理事・監事)

一般社団法人の役員は、理事・監事となりますが、この中で必ず置かなければならない役員は理事のみです。
役員は誰でもなれるわけではなく、役員適格の要件(自然人であること、成年被後見人ではないこと等)がありますので、注意が必要です。

理事の条件

@理事は1名以上。理事会設置の場合は理事3名以上・監事1名以上。

理事会を設置した場合は、必ず1名以上の代表理事を定めなくてはいけません。
税務上のメリットを享受できる非営利一般社団法人を目指す場合、理事を3名以上にする必要があります。
代表理事を定める場合は、代表理事が代表となりますが、特に定めない場合は理事全員が代表権を持ち代表することになります。(各自代表)

A理事の任期

理事の任期は原則2年です。定款や社員総会で任期を短縮することも可能ですが任期の伸長は認められていません。
理事を継続する場合は、「再任」のための重任登記が必要です。
再任の重任登記を行っていない場合、最悪、「強制解散」となってしまいますので注意が必要です。(最終登記から5年超過した場合)

監事の条件

@理事会を設置した場合は監事1名以上を設置

注意点として、公益社団法人を目指す場合の監事は「税理士・公認会計士等の国家資格者、或いは経理の実務経験者である必要があります。

A監事の任期

監事の任期は原則4年です。理事同様、定款や社員総会で任期を短縮することも可能です。
理事同様、監事を継続する場合は、「再任」のための重任登記が必要です。
再任の重任登記を行っていない場合、最悪、「強制解散」となってしまいますので注意が必要です。(最終登記から5年超過した場合)

会計監査人の条件

@大規模な一般社団法人の場合は1名以上

大規模な一般社団法人(負債額200億円以上)の場合は必ず1名以上置かねばなりません。
また、収益又は費用及び損失の額が1,000億円以上、或いは負債額50億円以上の公益社団法人は会計監査人の設置義務があります。

A会計監査人の任期

会計監査人の任期は1年以内です。任期満了時の定時社員総会で解任されない限り、自動的に再任・任期更新となりますので「再任」の手続きは不要です。
会計監査人は社員総会だけではなく、監事の権限でも解任する事が出来ます。

税法上のメリット(非営利型)

一般社団法人は、税制上の分類として「全所得が課税対象になる一般社団法人(一般法人型)」と「収益事業のみが課税対象となる一般社団法人(非営利型・共益活動型)」とに分かれます。

設立の前にどちらの法人にするか、良く検討いただいく必要があります。

「非営利型・共益活動型」の一般社団法人の場合、収益事業にのみ課税されます。
寄付金や会費収入等は非課税ですので、税務上の大きなメリットがあります。

非営利型で設立するには?

税務上のメリットがある非営利型の一般社団法人を設立する要件は下記のとおりです。
設立時及び設立後の運営についても注意が必要です。

  • 主たる事業として収益事業を行わないこと。
  • 定款に剰余金を分配しない旨を定めること。
  • 定款に解散時の残余財産を国若しくは地方公共団体又は公益社団法人等に帰属する旨を定めること。
  • 理事に三親等以内(叔父、叔母以上)の親族が3分の1を超えて含まれていないこと。
  • 定款違反の事実がないこと。

非営利型の一般社団法人を設立するには上記要件を全てクリアーする必要があります。

共益活動型で設立するには?

共益活動型の一般社団法人とは、既存の中間法人とほぼ同じ形態です。
税務上のメリットがある共益活動型の一般社団法人を設立する要件は下記のとおりです。
非営利型同様、設立時及び設立後の運営についても注意が必要です。

  • 全会員共通の利益を図る活動を行うことを主たる目的とすること。
  • 主たる事業として収益事業を行わないこと。
  • 定款に会員が負担すべき「会費」の定めがあること。
  • 定款に特定の個人や団体に剰余金を分配を受ける権利を与える旨の定めがないこと。
  • 定款に解散時の残余財産を特定の個人や団体に帰属する旨の定めがないこと。
  • 定款に解散時の残余財産を国若しくは地方公共団体又は公益社団法人等に帰属する旨を定めること。
  • 理事に三親等以内(叔父、叔母以上)の親族が3分の1を超えて含まれていないこと。
  • 特定の個人又は団体に特別の利益を与えないこと。

こちらも非営利型同様、共益活動型の一般社団法人を設立するには上記要件を全てクリアーする必要があります。

公益認定型で設立するには?

公益認定型で設立するには、将来を見据えた設立と運営が必要になります。
下記、基準・要件を全てクリアーすることが最低限の条件となります。

会計監査人の条件

  • 理事会設置
  • 監事設置
  • 会計監査人設置
      (収益又は費用及び損失の額が1,000億円以上、或いは負債額50億円以上の大規模公益社団法人の場合)
  • 定款に特定の個人や団体に剰余金を分配を受ける権利を与える旨の定めがないこと。
  • 定款に解散時の残余財産を国若しくは地方公共団体又は公益社団法人等に帰属する旨を定めること。
  • 理事や監事に三親等以内(叔父、叔母以上)の親族及び他の同一団体の密接な関係にある者が
       3分の1を超えて含まれてはいけないという旨を定めること。
  • 社員の資格の得喪及び社員の議決権に関して差別・特別的な取扱をすることを禁じていること。
  • 公益目的事業を行う為に不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び
       処分の制限について必要な事項を定款で定めること。

認定基準

  • 公的認定基準に適うこと。
  • 公益事業を主たる目的とすること。
  • 下記欠格事由に該当しないこと。
    1. @暴力団員等がいないこと。
    2. A滞納処分終了後3年以内。
    3. B認定取消し後5年以内。

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